2010年07月07日

シーシェパード船長に有罪判決も急がれる法整備


 司法の場で初めて裁かれたシーシェパードによる調査捕鯨妨害活動。一歩間違えれば人命にもかかわる危険な行為が断罪された意義は大きい。その一方で、立件のハードルはいまだに高く、公海上で繰り返されてきた妨害活動阻止に向けた法律の整備の必要性が改めて浮かび上がっている。

 今回の事件の立件後には被告に妨害を指示したとして、シーシェパード代表のカナダ人、ポールワトソン容疑者(59)が国際手配されるなど、一定の成果を残してきた。

 一方で、団体の活動が寄付によって支えられている以上、シーシェパードは「報道されて絵になる派手な活動」で支持者にアピールする必要がある。立件に向けた日本の取り組みにもかかわらず、過激な行動は今後も続くとの指摘があり、今回の判決に抑止効果があるかは不透明だ。

 また、捕鯨反対の立場ということもあり、シーシェパードが活動の拠点とする豪州政府をシーシェパード包囲網に巻き込むことができる期待は薄い。

 そもそも、日本の調査捕鯨船団を長年悩ませてきた妨害活動は公海上で行われてきたため、日本の法律の適用が難しく、立件のハードルは高かった。今回の事件で立件に至ったのは、被告が自ら調査捕鯨船に乗り込んできたからだ。

 そこでカギとなるのは海賊対処法の適用だ。ただし、現在の運用では、適用対象が強盗などの海賊活動に限られており、外務省は「シーシェパードのような妨害活動は『海賊』にはあたらない」との見解を示す。反捕鯨というお題目の元に繰り広げられる危険な行為に対し、毅然とした態度を示すためにも、海賊対処法の対象にシーシェパードを加えるなど、公海上での立件に向けた法整備が急務となる。


平成22年7月7日午後9時11分

シーシェパード元船長判決 立件の難しさ、急がれる法整備
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2006年05月22日

「猪突猛進」手法の猪口担当相に専門委反旗 少子化対策

「猪突猛進」手法の猪口担当相に専門委反旗 少子化対策

 猪口邦子少子化対策担当相が18日の経済財政諮問会議に示した少子化対策案が経済支援策に偏重し、猪口氏主宰の少子化社会対策推進専門委員会による報告とも内容が大きく異なるとして、専門委のメンバー8人のうち7人が22日、内閣府に抗議する文書を提出した。猪口氏は1月に「出産無料化(フリーバース)」を唐突にぶち上げるなど"猪突(ちょとつ)猛進型"のやり方に批判が広がっており、ついに身内が反旗を翻した形となった。

 「これまでの専門委の議論は一体何だったのか。単なるバラまき政策で少子化問題が解決すると思っているのか」

 ある専門委の委員は、猪口氏への不信感をあらわにした。

 専門委のメンバーが反発しているのは、猪口氏の対策案に、現行の育児手当とは別立ての「乳幼児手当」の創設が盛り込まれたことだ。これは専門委の会合で、「子供を育てたいと思う社会を作ることを優先させるべきだ」と批判が相次ぎ、報告への記載が見送られた政策だった。

 さらに、対策案に「出産無料化を図る」と記載されたことにも、批判が上がる。対策案には、出産育児一時金の前倒し支給や不妊治療の助成拡大などの具体策が盛り込まれており、「政策が矛盾している」(委員)というわけだ。

 出産無料化は、猪口氏が1月に唐突にぶち上げ、政府・与党から「予算審議前に何を考えているのか」と集中砲火を浴びた経緯があるが、猪口氏は今も強いこだわりを見せており、「対策案策定の最終段階で無理にねじ込んできた」(政府関係者)といわれる。

 これに対し、猪口氏は「専門委の意見は十分に盛り込んだ。報告がそのまま政府案になるわけではない。与党の提言を踏まえ、予算項目につながるように分かりやすく書いた」と反論する。

 しかし、政府内では「財政再建に政府一丸で取り組んでいる時期に少子化だけ経済支援策をちりばめるわけにはいかない」(政府高官)と反応は冷ややか。猪口氏を閣僚に抜擢(ばってき)した小泉純一郎首相も、経済財政諮問会議の席上で「児童手当を充実させればいい」と述べ、乳幼児手当を一蹴(いっしゅう)した。

 また、自民党内でも「猪口氏の主張は、育児をすべて家庭の外に任せ切りにしようというのと同じだ」(中堅)と猪口氏への風当たりは強い。特に出産無料化は、社民党がマニフェストに掲げた目玉政策だけに「猪口氏は一体どこの政党の政治家だ」(若手)との指摘もあり、6月の政府・与党の意見集約では、混乱を懸念する声も上がっている。

05/22 22:57
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2005年11月02日

杉浦法相「死刑署名拒否」“サプライズ発言”波紋 省内警戒

杉浦法相「死刑署名拒否」 “サプライズ発言”波紋 省内警戒

次期国会の論点にも

 杉浦正健法相が就任会見で明言した死刑執行命令への「署名拒否」発言が、波紋を広げている。弁護士資格を持つ法相はその直後、「個人としての心情」と釈明、発言を撤回したが、おひざ元の法務省幹部は「次期国会で論点になるのは必至」と頭を抱える。犯罪被害者の権利擁護が叫ばれるなか、最近の調査では死刑制度容認派が初めて八割を超えており、世論を無視した新法相の“サプライズ発言”に反発が強まりそうだ。

 発言は三十一日深夜、法務省で行われた初登庁後の会見で飛び出した。死刑についての考えを述べる中で、執行命令書に「私はサインしない」と言い切ったのだ。

 死刑は平成五年以降、歴代法相が命令書に署名し、少なくとも毎年一回は執行されている。署名拒否は、法務省の刑事政策の転換をも意味する。

 反響の大きさに、法相は一日未明になって「個人としての心情を吐露したもので、法務大臣の職務の執行について述べたものではなかった」とのコメントを配布し、発言を撤回した。

 同日午前の閣議後には、小泉純一郎首相に発言の経緯などを説明し、首相からは「個人的な考えと大臣の立場をよくわきまえて発言したほうがいい」と注意されたという。

 法相はその後の会見でも「舌足らずな面があった。職務が個人の感情に左右されてはいけない」と釈明した。このなかで、「個人の心情」について「自分の信仰は東本願寺(真宗大谷派)の門徒。親鸞聖人の教えを、幼いころからおばあちゃんのひざの上でお参りしていたことが根底にある」と語った。

 真宗大谷派によると、同派は「罪人も、かけがえのない命として尊重する」という立場をとっている。平成二年十二月から約一年間法相を務め、同派の僧籍を持つ左藤恵氏が、退任後に「思想と信念に基づき死刑署名をしなかった」と告白した例もある。ただ、法相が就任直後にきっぱりと「署名拒否」を宣言したケースはない。

 法務省内では法相の発言撤回にもかかわらず、「信仰に基づいた確信的発言だと思った。次期の国会では論点の一つになることは必至だ」(同省幹部)との声が出るなど、新法相に対する警戒感が漂う。

 アムネスティ日本支部では、「死刑廃止は国際的な潮流」と法相発言を好意的に受け止めるが、今年二月に公表された内閣府の調査では、「犯罪に対する抑止力」として、死刑制度容認派の割合が初めて八割を超えており、容認派は増加傾向にあるのが国内の現状だ。

 法相発言には、衆院選で大敗した民主党も関心を寄せている。前原誠司代表は一日の会見で、「二転三転するのは大臣としての資質が問われる」としたうえで、死刑制度の是非についても言及。「私個人としては死刑は存続すべきだと思っている。更生が見込めないものについては極刑をもって罪をあがなうべきだ」との考えを示した。



≪個人的裁量の働く余地なし 命絶つ行為を重視≫

 死刑執行の署名が、法務大臣の信条や哲学によって左右されることには批判が強い。

 平成五年、執行が止まっていた死刑が三年四カ月ぶりに実施された際、法相だった後藤田正晴氏は当時の国会答弁で、「裁判官に(死刑判決を出すという)重い役割を担わせているのに、行政側の法相が執行をしないということで国の秩序が保たれるか」と批判。さらに、「個人的な思想、信条、宗教観で執行しないのなら大臣に就任したのが間違いだ」とも答えている。

 刑の執行命令は通常は検察官が下すが、死刑だけは刑事訴訟法で「法務大臣の命令による」と規定されている。命を絶つという行為を重く見ているためだ。

 裁判で慎重な審理を経た上で確定判決が出されているという理由から、法務省では「死刑執行にあたって大臣による『慎重な判断』がされることはあっても、大臣の個人的裁量が働く余地はない」(刑事局)と説明している。つまり法律上、法相は「署名する、しない」という意図的な選択ができないようになっているのだ。

 一方、日弁連など死刑反対派の中には、「刑の存続・廃止については国民の合意ができるまで、法務省は執行を停止すべきだ」という主張もある。

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杉浦正健新法相は、かの悪名高き「皇室典範に関する有識者会議」の政府側メンバーでもある。
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2005年04月02日

子育てパンフ販売中止 女性団体作製

子育てパンフ販売中止 「ジェンダーフリー」推奨 文科省委嘱、女性団体作製

 文部科学省が委嘱し、女性団体が作製した子育て支援のパンフレットが、文科省の指導を受けて先月下旬に販売中止となっていたことが一日、分かった。パンフには、政府が使わないよう要請しているジェンダーフリー(性差否定)を推奨したり、こいのぼりやひな祭りを否定的にとらえたりといった問題記述が多く、男らしさ、女らしさや日本の伝統文化を尊重していないとの批判が集中していた。著作権を持つ文科省は「今後、増刷を認めることはない」と話しており、事実上の絶版となる。

 問題のパンフは「新子育て支援−未来を育てる基本のき」。平成十四年度に、文科省から委嘱された日本女子社会教育会(現・日本女性学習財団)が、国の予算で作製した。財団は各都道府県教委などに無料配布した後、希望者に有料販売を続けてきた。

 パンフでは、「無意識に子供に女らしさや男らしさを押しつけるような子育てをしていませんか」と問いかけ、女の子には優しく愛らしい名前、男の子には強そうな名前をつけること、ひな祭りやこいのぼりといった節句のお祝い、女の子に「かわいい」、男の子に「かっこいい」とほめること、を否定的に提示。男の子に「女の子に優しく」、女の子に「礼儀正しく」と教えることも、「女らしさや男らしさの押しつけ」の例として挙げられていた。

 さらに、「男女共同参画社会を担う子供たちは、ジェンダーフリーに育ってほしい」と、全く異なる概念である男女共同参画とジェンダーフリーを同一視し、「ジェンダーフリーは自立心をはぐくむ」「子育てはジェンダーフリーで」と推奨。さらに子育てと関係ない同性愛について、「同性愛の人々にとっては同性を愛するというのは当たり前の選択」と肯定的に記述していた。

 このような記述が満載されていることから、パンフは作製直後から「男らしさ女らしさや日本の伝統文化を否定する」と国会で問題視され、当時の福田康夫官房長官は「正直言って賛成しない」と答弁していた。文科省は全国の担当者会議で、「正しく理解されない恐れがある場合には、利用を控えるように」と異例の注意を付したものの、回収や絶版の措置はとらなかった。

 一方で財団は「個々の事例を好ましくないものとしたり、特定の考え方を押し付ける趣旨で作製したものではありません」との説明を添付し、販売を続けてきた。

 文科省は「作製当時と現在では、ジェンダーやジェンダーフリーをめぐる状況が大きく変わっており、今見ると問題だと思われる記述が多い」と指導の趣旨を説明した。

 日本女性学習財団では「パンフがすべてなくなったので、販売をやめた。文科省の指導や国会での批判とは関係ない」と話している。
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人権擁護法案、法務省が修正案

人権擁護法案、法務省が修正案 侵害「定義」依然あいまい

 自民党内で賛否が分かれている人権擁護法案で、法務省の修正内容が一日、わかった。人権委員会による救済手続きの乱用に歯止めをかける一方、あいまいとされた「人権侵害の定義」などは修正されないまま。反対派議員は「到底、了承できない」としており、審議入りのめどは立っていない。

 修正案では「本来の目的を逸脱して乱用することがあってはならない」との条文を追加。さらに「特定団体の運動思想の宣伝」など十四項目を、救済手続きの対象から除外している。

 また、「特定団体の影響力を受けやすい」と批判された人権擁護委員の選考については、条文の「委員は弁護士会など人権擁護を目的とする団体から推薦する」という文言を削除。人権侵害と認定された人物に弁明の機会を与え、不服の申し立てもできる制度も新たに導入するとしている。

 しかし、特別救済手続きを行う際、令状なしに出頭要請や、捜索・押収が可能とする条文は無修正のまま。人権擁護委員の選任基準に国籍条項を設けることも「現時点では保留」とされた。
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